風土が育む麦焼酎を求めて

豊かな自然に恵まれた大分県宇佐市。 この地で麦焼酎をつくりつづけ約45年。
私たち三和酒類は「品質第一」を理念に、酒造りの工程一つ一つにとことんこだわり納得のいく焼酎だけをつくってきました。 そんな私たちが、1993年から大分県とともに取り組んできたのが、焼酎のための大麦づくり。つまり、地産地消の焼酎づくりです。 「日本酒に山田錦のような酒造好適米があるように、麦焼酎の醸造にも好適な大麦をつくりたい。」 そんな想いから生まれた焼酎醸造好適大麦「ニシノホシ」。私たちは、この大麦で醸造試験を繰り返し、2001年、「ニシノホシ」を贅沢に使用した大分麦焼酎®「西の星」をつくり上げました。
「西の星」を通して私たちが目指すのは、大分の風土が育む、この土地ならではの麦焼酎づくりです。

三和酒類 西の星賞

「三和酒類 西の星賞(旧iichiko西の星賞)」は、地元生産者への「ニシノホシ」栽培の普及と大分麦焼酎®「西の星」の品質向上を目指して、2005年に創設されました。今ではこの賞に毎年70件以上のエントリーがあります。 厳しい品質検査の結果、選ばれた上位4圃場の麦は、「ニシノホシ」の醸造特性を活かした「西の星 VINTAGE」候補として仕込まれます。この4候補はさらに選別され、高評価を得た2圃場の生産者に「三和酒類 西の星賞」が贈られるとともに、生産地区の名前を冠した「西の星 VINTAGE 」として発売されます。

三和酒類 西の星賞 2024 表彰式


2024年11月8日「三和酒類 西の星賞 2024」表彰式を開催しました。
(左から:上城井地区 城宗嗣 様、三和酒類(株)代表取締役専務 赤松元明、長洲地区 永岡卓巳 様)

西の星 VINTAGE 2024

「西の星 VINTAGE 2024 上城井」
「西の星 VINTAGE 2024 長洲」

栽培の技を競い厳選された圃場のニシノホシを全麹づくりで醸しました。
「西の星 VINTAGE 2024 上城井」はバナナや熟したリンゴを想わせる華やかな香りとすっきりとキレの良い甘み、「西の星 VINTAGE 2024 長洲」はパイナップルや花を想わせる爽やかな甘い香り、まろやかな余韻を感じる麦焼酎に仕上がりました。
その年最高のニシノホシの品質と酒蔵の想いが一つになった「西の星 VINTAGE」、今年のうまさをご堪能ください。

三和酒類 西の星賞 受賞酒ができるまで

麦を磨く

「三和酒類 西の星賞」にエントリーし、選ばれた上位の麦は、その香りと味わいを生み出すために「精麦」へと進みます。精麦とは、雑味のもとになる成分を多く含む穀皮やでんぷん層を取り除き、磨きあげること。外皮を削れば確かに雑味はなくなりますが、削りすぎるとそこに含まれるうまみ成分まで損なわれてしまいます。重要なのはバランス。持ち味を最大限に引き出すために、「ニシノホシ」は時間と手間をかけて、少しずつ丁寧に削られていきます。

麹をつくる

麹をつくることを「製麹(せいきく)」と言います。蒸した大麦に麹菌を付着させ、焼酎の主原料となる麹をつくるのです。
まず大事なのは麦の蒸し加減。この蒸し加減が、その後の麹ともろみの出来を左右します。適度な硬さになるように、作業には細心の注意が必要です。
次に気をつけなければならないのが麹菌を増殖させる際の温度と湿度です。その日の天気や夜の冷え込みまでを考慮して、温度と湿度を調節します。

仕込む

「西の星」には、自社で研究開発したオリジナルの「いいちこ酵母」を使用しています。「いいちこ酵母」は華やかな吟醸系の香りが特徴で、原料の特性を最大に引き出すための組み合わせを研究した上で選定しています。「麹」は焼酎の味を決め、「酵母」は香りを決めるもの。麹と酵母の共同作業で焼酎の香味が決まるのです。

酒を利く

評価の基準は“華やかな香り”と“すっきりなめらかな飲み口”という「西の星」のコンセプトに即しつつ、いかにその味わいに、土地・栽培ごとに違う麦の特徴が表れているか。製麹も仕込みも同じなのに、原料によって表出する香味の違い。そこにこそ、私たちが目指す地産地消の「西の星」づくりへのこだわりがあります。